監査対象企業が大規模企業であるかどうかを判断する基準に関するガイドライン

2025年4月14日、政府は独立監査法の一部条項の施行に関する詳細規定を定めた政令17/2012/NĐ-CP号を改正・補足する政令90/2025/NĐ-CPを公布した。本政令は2025年4月14日より施行される。以下は主な改正・補足内容である。

I. 強制監査対象の拡大

大規模企業に対し、以下の3つの基準のうち少なくとも2つを満たす場合、年次財務諸表の監査を義務付ける。

  • 年間の社会保険加入者数の平均が200人を超えること
    ※年間を通じた各月の「社会保険に加入している従業員数(企業が管理・給与を支給している全従業員)」の合計を12で割った平均値である。
  • 年間総収入が3,000億VND(約1億5,000万円)を超えること
    ※前年度の財務諸表(会計法に基づき作成されたもの)に基づく。
  • 年間総資産が1,000億VND(約5,000万円)を超えること
    ※前年度の財務諸表に基づく。

II. 強制監査の免除

連続2年間にわたり上記の大規模企業基準を満たさなかった企業は、再び基準を満たすまで強制監査の実施が免除される。

III. 監査者の署名期間の変更

政令90/2025/NĐ-CP号によれば、監査者が同一の企業に対して連続して監査済財務諸表に署名できる期間が最大5年間に延長された(従来の政令17/2012/NĐ-CP号では3年間と規定されていた)。

IV. 経過措置

  • 2025年1月1日以前に監査済財務諸表に署名していた監査者は、最長5年の連続期間が満了するまで引き続き署名可能とされる。
  • 2024年度の財務データに大規模企業の基準を満たしている企業は、2025年度の財務諸表から強制監査の対象となる。